厳しい医学部の受験を勝ち抜くためにまず重要なのが「予備校選び」ですよね。
医学部受験のための予備校選びは、通いやすさや学費など基本的な部分はもちろん、医学部合格を現実にするための具体的な授業内容や指導方法が、自分に合っているかを見極めることが最も大切です。
今回は、私が実際に大阪の医学部専門予備校に通い合格した経験をもとに、「医学部専門の予備校」と「大手予備校」には、どんな違いがあるのか、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
また、それぞれの予備校に向いている人についても解説しますので、予備校選びの参考にしてくださいね。
目次
医学部予備校とは、その名の通り医学部合格を目指すための専門予備校です。
医学部は他の学部よりも共通テストのボーダーラインが85%以上とも言われており、他学部よりも難関であることは間違いありません。
また、二次試験では面接や小論文のスキルも必要になり、志望大学ごとの傾向を把握した独自対策も欠かせません。
受験大学や個人の学習レベルに応じた個別カリキュラムでしっかり対策するには「医学部予備校」が最適です。
医学部予備校と大手予備校の違いを簡単に比較してみます。
医学部受験専門であり、個別指導型が多いのが医学部予備校の特徴です。
大手予備校に多い集団授業は少なく、少人数形式の授業や個別授業が中心で取りこぼしを少なくし、分からない箇所を質問や個別フォローしてくれる体制も整っています。
また、医学部受験に精通した講師がそろっていたり、予備校OBの現役医大生がチューター(助言や質問対応)してくれたりなど、専門予備校ならではの充実した授業やサポートが受けられる特徴もあります。
医学部予備校の授業料は、大手予備校と比べると高い学校が多いです。
後ほど詳しく紹介しますが、数百万円以上が相場になっています。
一方で大手予備校の学費は平均100万円ほどが相場です。
大手予備校と比べて1校当たりの生徒数が少なく、1人ひとりへの個別指導・サポートが充実しているため、どうしても費用が高額になることは覚えておきましょう。
こちらも参考にご覧ください。
医学部予備校は、生徒1人ひとりに、専用の学習カリキュラムを作成するのも特徴です。
自分の苦手科目克服や志望大学受験の徹底対策など、目的に応じて自由にカリキュラムをカスタマイズできる柔軟性の高さが合格率の高さに繋がっています。
医学部専門予備校の最大のメリットは、志望大学や個人の状況に応じて個別のカリキュラムで勉強を進められることです。
また、医学部専門ならではの手厚い個別指導も魅力です。
1人あたりに複数の講師やチューターがつくことが多く、聞きたいときにいつでも質問でき、理解できるまでしっかりとサポートしてもらいえます。
さらに、苦手な科目や分野を徹底的に克服するための専用テキストやカリキュラムに応じて課題が定期的に出されるなど、生徒に合わせた最適な勉強を都度行っています。
個別に目標を立てて、達成のために必要なことを明確にし、逆算してカリキュラムを作成するため、勉強のスケジュール作成が苦手な人も安心して苦手克服に集中できるので効率的です。
医学部専門予備校のデメリットは、授業料が高めという点です。
ただし、予備校によって授業料の設定は大きく異なります。
年間の授業料が1000万円以上と高額の予備校もあれば、大手予備校と同程度(100万円以下/月額5万円~10万円ほど)までありますが、相場は年間400~500万円ほどなので大手予備校よりは高めといえるでしょう。
たくさんの予備校を比較して内容と予算のバランスが自分に合う予備校を見つけましょう。
また、学費がピンキリであると同様に、講師の質も大手予備校よりは多少のバラツキがあります。
予備校のホームページやパンフレット、事前面談、体験授業、口コミなどをしっかりチェックしないといけないので、自分に合った予備校を選ぶための時間がかかるかもしれません。
大手予備校で医学部合格を目指すなら、その予備校の「医学コース(医学部コース)」を選択することになります。
大手予備校のメリットは、歴史が長く豊富な実績をもとにした質の高い授業やテキストで学べることです。
TVに出演しているような有名講師の授業を受けてモチベーションが上がった、という人もいます。
長年の経験に基づいて、洗練された授業やテキストは「分かりやすい」と多くの生徒が感じる内容になっています。
また、医学部専門予備校と比べて学費が安いこともメリットです。
大手予備校のデメリットは、生徒数が多く、授業は集団形式が多くなるため、講師やスタッフが生徒1人ひとりに割ける時間がどうしても少なくなることです。
例えば授業で分からないことがあったときの質問や個別指導などのサポートは医学部予備校よりも薄めです。
医学部専門予備校は、なんといっても医学部受験に特化した授業やテキスト、スケジュール作成や実行のサポートが受けられることが最大の特徴です。
志望校や目標を決めたら、目標達成までのスケジュールを考えてリードしてくれるので、自分で勉強のスケジュールを立てるのが苦手な人、あらかじめ決められたカリキュラムをひたすらこなして着実に実力を付けたい人にはぴったりです。
大学別の医学部過去問対策なども充実しているので、志望大学をある程度絞り込んで「もれなく、集中して」受験対策をしたい人にも最適です。
予備校によっては専用寮もあり、寮に入ればさらに集中して学習を進められます。
また、医学部予備校は一対一の個別指導や少人数授業が中心なので、集団形式よりも少人数形式が好きな人や、授業外や自習時などにもきめ細かなサポートがほしい人にも向いています。
その他、今の学力や学習方法に不安のある人、苦手科目や成績が伸び悩んでいる理由がわからない、効率の良い勉強のやり方から知りたいなど、成績や学習方法などで悩んでいる人や個別のアドバイスを受けながら勉強を進めたい人には、医学部専門予備校が向いています。
大人数の生徒が通う予備校では全教科の指導がまんべんなく行われるため、「大学入学共通テスト」が必須となる国公立大学志望の学生や現役生が多い傾向にあります。
集団授業がメインで個別指導がない場合も多いので、自分自身の力でしっかり学習を進めていける人、自分で計画立てて勉強したい人にはおすすめです。
また集団の中で勉強を進める方がより学習意欲が向上するという人にも向いています。
長年の実績がある大手予備校だからこそ可能な質の高い授業を受けられますが、一対一の授業に比べるとどうしても生徒1人ひとりに対するサポートが手薄になってしまいます。
そのような環境においても、いつでも競争心を持って自分を奮い立たせることができる人は大手予備校に向いていると言えます。
医学部専門予備校 | 大手予備校(医学コース) | |
授業形式 | 個別授業や少人数授業中心 | 集団授業中心 |
講師 | 医学部受験専門のプロ講師・現役医大生チューターなど | 有名講師・OBチューターなど |
生徒の数 | 大手より少なめ | 多い |
授業後や自習時のフォロー | 時間が多くきめ細かい | 時間は少なめ |
大学別医学部への対策 | すべての大学の医学部に対策あり | 有名校は対策あり |
費用相場 | 年間300~400万円ほど | 年間90~150万円ほど |
向いている人 | 学習やスケジュール立てに不安がある人、 集中して確実に志望校の医学部対策をしたい人 |
自律的に勉強できる人、予算をあまりかけられない人 |
今回は、医学部受験で重要な予備校選びについて解説しました。
医学部専門予備校と大手予備校は、授業や指導形式、学費に特に違いがあります。
どちらの方がいいとは一概には言えません。
それぞれの特徴、メリット・デメリットをまずは知りましょう。
予備校選びで大切なのは、目標や予算を早めにはっきりさせることです。
予備校に求める様々な項目に、自分にとっての優先順位を付けることで、自分で納得できる予備校を選べ、その後の勉強も意欲的に取り組めるはずです。
後悔のない予備校選びの参考となれば幸いです。