現役の高校生でもなければ浪人生でもない、既に社会に出て働いている方が医学部への再受験を試みるケースは増えてきています。
その最大の理由は「どうしても医師を目指したいから」です。
しかしながら、既に現役から遠のき、受験対策をおこなっていない社会人が、医学部再受験を突破するには相当の努力が必要です。
今回は社会人が医学部再受験に挑戦する理由と、合格するためのポイントを詳しく解説します。
目次
社会人が医学部を再受験する最大の理由は、冒頭でもお伝えしているとおり「どうしても医師になりたいから!」です。
そうでなければ、既に違う仕事に就いて収入を得ているにも関わらず、医学部に入学しようとは思いません。
ただ、医師になりたい理由を掘り下げてみると、そこにはさまざまな理由が存在します。
ここではそんなさまざまな理由について、確認してみましょう。
一度は現役で医学部受験に挑戦したものの不合格となり、医師になることをあきらめて他の道に進んだ人も多くいます。
ところが社会人になり働いている中で「やはり、医師になりたい」との想いが再燃して、社会人から医学部への再受験にチャレンジするケースがあります。
大学も医療系ではなく一般的な文系の大学を卒業して、現役時代には医師へのリスペクトもない人が社会人になってから、医師に憧れを抱くケースもあります。
大学卒業後に、福祉関連の仕事に従事して病院や医師と触れ合う機会ができたことによって、医師に憧れを抱くようになり「医師になりたい!」との想いが強く医学部再受験に挑戦する人もいます。
医学部への進学には、それなりの費用がかかるのが現実です。
塾や予備校などのサポートを受けなくても、偏差値が高い学生なら問題なく国公立の医学部に合格するかも知れません。
しかしながら、そのような人はほんの一握りであり、ほとんどの人が何らかのサポートが必要です。
私立大の医学部に進むには合格してからも多くの学費が必要なので、経済的な理由から現役での医学部受験を諦める人も少なくありません。
そのため、一旦は高卒で就職し、医学部受験への資金を貯めることに専念する人もいます。
社会人になり働いて得た給与を貯めて、医学部への再受験を試みる人も少数ですが存在します。
現役でも浪人生でもなく、社会に出て働いている人が医学部を再受験するのはとても厳しいのが現状です。
受験対策に24時間フルに時間を使える現役高校生や浪人生でも、合格するのがとても難しいのが医学部。
そんな医学部に、働きながら受験勉強するのは正直いって至難の業といっても過言ではありません。
中には、会社を辞めて受験勉強に専念するか悩む人もいるはずです。
また、どうすれば受験対策が上手くいくのか悩む人もいるでしょう。
従って、社会人が医学部を再受験するには、相当な苦労をする覚悟が必要といえます。
社会人が医学部を再受験するのは、無謀だという人もいます。
それもそのはずで、先ほどからお伝えしているとおり、社会人には圧倒的に勉強時間が少ないからです。
仮に働いている職場が、残業のない8時間労働だったとします。
平日朝9時から18時までの時間が労働時間として、残った時間で勉強をしなくてはいけません。
どうしても睡眠時間を削って勉強時間を作り出さないと、勉強時間が足らない状況は明らかです。
ただし睡眠時間を削ると、翌日の仕事に影響しミスをするリスクが高まります。
さらに睡眠不足が続くと、仕事中に居眠りをすることになりかねません。
先ほどの続きになりますが睡眠不足による居眠りは、授業中や勉強中に居眠りするのとは次元が異なり、仕事中の居眠りは業種によっては命に関わるケースもあります。
そう考えると、仕事に支障のない睡眠時間を確保しつつ残った時間で勉強して、医学部再受験を目指すのは無理があることは誰の目にも明白です。
そのため、仕事や休みの土日に勉強を集中して行うという選択をせざるを得ないこともあるでしょう。
医学部受験を一番に考えて仕事を辞めれば、受験のための勉強時間を確保できます。
それこそ、現役生や浪人生と同じく、24時間を全て受験対策にあてることも可能です。
ただし、仕事を辞めてしまうと住んでいる場所の家賃や、生きていくための生活費に困ることがほとんどです。
もしも、どうしても受験勉強を優先させたい場合は、仕事を辞めても生活していける経済状況であるかを、しっかり見極める必要があります。
では、勉強時間が圧倒的に少ない社会人が、医学部を再受験するメリットはあるのでしょうか。
一定の学力が備わっていることを前提にすると、社会人だからこそ有利になるケースもあります。
ここでは、社会人が医学部を再受験するメリットとデメリットについて解説します。
医学部以外の学部を卒業した社会人は、医学部学士編入試験に応募できます。
この制度は、学科試験だけでなく大学での専攻・社会経験、面接(集団討論含む)などを併せた、総合的評価にて合格者を選抜することが特徴です。
つまり、学生では決して表現できない社会経験を、社会人の受験生は強くアピールできるメリットがあります。
ただし、各大学とも募集人員はとても少ないので、狭き門であることに間違いありません。
ここで、2022年度の近畿地区の大学における、医学部編入実施状況を紹介しておきます。
この一覧表をみれば、いかに医学部学士編入による合格者が少ないかがお分かり頂けるでしょう。
【国公立大学】
滋賀医科大学 | 15名 | 総合問題、英語 | 小論文Ⅰ、小論文Ⅱ、個人面接 |
大阪大学 | 10名 | 物理学、化学、生命科学 | 小論文、面接 |
神戸大学 | 5名 | 生命科学と英語の総合問題 | 口述試験 |
奈良県立医科大学 | 2名 | 英語、数学、理科 | 面接 |
※近畿地方での私立医大では、医学部編入を実施している医学はありません。
※年度によって行われない場合もありますので、最新の情報は各大学のホームページをご確認ください。
なお、各大学については以下をご覧ください。
社会人が医学部を再受験するデメリットは、既に何度もお伝えしている「勉強時間の少なさ」につきます。
仕事をしている以上、現状ではそれが本業であるので受験勉強の優先順位は2番目となってしまいますからです。
そのため、どのような工夫で学力をアップさせる勉強ができるかを考える必要があります。
また、社会人生活が長く学校の勉強から時間が経っている場合は、受験科目の勉強をし直すだけでもかなりの時間がかかってしまうもの。
つまり、受験対策に至るまでの時間が多く必要になるので、その分の努力も多く必要になってきます。
社会人になって医学部を目指すには、勉強時間が圧倒的に少ないとお伝えしてきました。
それでも、医学部への再受験をあきらめる訳にはいきません。
どうすれば、働きながら少ない時間を効率的に受験対策にあてられるかが、重要な鍵となります。
そこでここでは、社会人が医学部再受験に挑むための有効な対策について解説します。
現職の会社に、医学部再受験のための勉強時間をつくりたいと相談してOKがでればいいのですが、企業は慈善事業ではないのでそう簡単にOKはしてくれないでしょう。
そこで現職から病院や医療系の企業に転職をすれば、医学部への再受験をサポートしてくれますし、卒業後もその企業で働くことが可能です。
近年では転職が当たり前の時代となっているので、医師になる目標を持って転職することにそれほど抵抗を感じなくてもいいでしょう。
また、転職しても仕事を継続していれば受験までの収入を確保できますし、万一医学受験に失敗したときのリスクヘッジが可能となるので仕事を継続することは重要です。
社会人が医学部への再受験対策を万全にするなら、医学部予備校に通うことが最も効果的です。
医学部予備校には医学部受験のプロの講師が在籍し、これまでも多くの社会人を医学部に導いています。
その豊富な実績から、受験対策のポイントや学力向上が叶う指導など、プロならではのサポートを受けることが可能です。
仕事が原因で勉強時間の確保が難しい場合、転職先にしっかりと伝えて転職をおこなえば医学部予備校に通う時間をつくることが可能です。
なぜなら、医学部を再受験することを条件に転職をするからです。
医学予備校に通うために会社を辞めると、貯金が多くあれば別ですがほとんどが収入面で困ってしまいます。
これまでより収入が減少しても、一定の収入を得ながら医学部予備校に通える環境が整えば、受験対策も取りやすくなるのは間違いありません。
医学部予備校に通うメリットは、社会人の再受験専用の指導も得意としていることにあります。
現役生や浪人生だけでなく、勉強時間の少ない社会人に対する個別指導や充実したサポートで、医学部合格に導いてくれます。
さらに医学部予備校では、社会人の医学部受験生ならではのさまざまな悩みも相談できて、不必要なストレスを溜めることがなくなるメリットもあります。
ここで、社会人の受験生必見となる、再受験に強い大阪の医学部予備校の記事をご紹介します。
医学部再受験の内容や、再受験に強い大阪の医学部予備校5選の紹介など、医学部受験を考える社会人には必須の内容となっています。
今回は社会人が医学部を再受験する際の現状やメリット、デメリットについて解説してきました。
現役生や浪人生のように、十分な受験勉強にあてる時間がとれないことが、最大のデメリットになってしまいます。
ただし、働く環境を変えて医学部予備校に通うことができれば、その状況は一変します。
医学部受験のプロによる指導とサポートを受けられるので、医学部合格に近づくのは間違いありません。
医師になることをあきらめずに挑戦する社会人を、記事を通して応援しています。