近年では医学部でも、総合型選抜を採用する大学が増えてきています。
総合型選抜試験とは旧AO入試のことで、2021年4月入学者対象の入試から「総合型選抜」に名称変更されました。
そして名称変更に伴い、入試内容も見直されてさまざまな方法にて、大学側から相応しい人材であるかを多面的に評価されるようになっています。
そんな総合型選抜入試を突破するための、有効的な対策法を詳しく解説します。
目次
大学側が総合型選抜入試を採用する理由は、大学が求める人材を確実に確保することが最大の目的です。
総合型選抜入試では、さまざまな角度から受験生を評価し、アドミッションポリシーに合致しているかを採点します。アドミッションポリシーとは「どのような学生に入学して欲しいか」との内容のことで、各大学でさまざまです。
大学の入学試験では当然ながら高い点数を取れば、入試を突破し入学することが可能です。
ただ、入試の点数だけではどのような人材であるのかは分かりません。
入試に合格しているのだから、一定以上の学力を持ち合わせていることは確かですが、社交的なのか、協調性はあるのか、自主的になんでも取り組むのかなどの能力は、実際に合って話を聞き、色々試してみないと分かりません。
従って、総合型選抜入試にてさまざまな角度から受験生を評価して、大学が求める人材に相応しいかを判断しているのです。
大学が求める人材であるかを、全ての受験生に対して評価することは不可能です。
それでも、大学が望む人材を確保するために5名から多くても30名程度と、少人数ではありますが総合型選抜入試枠を確保しています。
ただ、受験生側からすれば総合型選抜入試はとても狭き門になってしまうのは間違いありません。
全ての大学で、総合型選抜入試を実施しているわけではありません。
また、総合型選抜入試はAO入試から名称変更された際に、試験内容も変わっています。
ここでは、総合型選抜入試の変更点を解説するとともに、関西圏で総合型選抜入試を採用している医学部をご紹介します。
冒頭でもお伝えしていますが、総合型選抜入試は旧AO入試が名称変更された試験です。
そして、名称変更に伴い試験内容もAO入試から改善されています。
ここでは、文部科学省がAO入試から改善するように、各大学に求めている試験内容を解説します。
【要求されている2つの改善点】
1:調査書等の出願書類だけでなく、次の2項目のいずれかを採用
(1)各大学が実施する評価方法等(例:小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等)
(2)「大学入学共通テスト」
以上の少なくともいずれか1つの活用を必須化すること。
2:志願者本人の記載する資料(例:活動報告書、入学希望理由書、学修計画書等)を積極的に活用すること。
それではここで、関西圏で総合型選抜入試を採用している医学部を一覧でご紹介しておきましょう。
情報は令和4年9月9日現在で、令和5年度の入試案内が確認できた大学のみ掲載しています。
大学名 | 定員 | 試験内容 |
---|---|---|
大阪公立大学
(医学科) |
5名 | 大学入学共通テスト ・口述試験・面接 ・調査書 ・志願者評価書 ・活動報告書 ・自己PR書を総合して判定
※志願者数が募集人員の3倍を超えた場合、一次選考を実施することがあります。 |
京都大学
(人間健康科学科) |
30名 | 【一次選考】:学業活動報告書 ・学びの設計書
【二次選考】:論文試験 ・面接試験 ・事前提出書類選考 ・大学入学共通テストの成績 |
京都大学
(医学科) |
5名 | 【一次選考】:提出書類により選考
【二次選考】:口頭試問、及び面接試験 |
大阪医科薬科大学
(医学科) |
専願:3名
併願:5名 |
専願
【一次選考】:書類選考 【二次選考】:小論文 ・面接試験 併願 【一次選考】:大学入学共通テスト700点(得点率約80%以上を基準に判定) 【二次選考】:小論文 ・面接試験 |
それでは、狭き門となる総合型選抜入試に向けて必要となる対策を3つ解説します。
高いハードルを越えるために必要な対策なので、万全を期して受験しなければ合格を勝ち取ることは難しいでしょう。
そして、総合型選抜入試の対策は国公立大学の医学部と、私立大学の医学部とで内容が異なるので注意が必要です。
ここでは、大学別に必要な対策法を解説します。
国公立大学の医学部における総合型選抜入試では、大学入学共通テストの成績が重要となってきます。
総合型選抜入試では、選考方法に大学入学共通テストが800点から900点以上である条件が定められています。
つまり、大学入学共通テストで高得点を取得していないと選考から漏れてしまいます。
従って、大学入学共通テスト対策は必須となります。
私立大学の総合型選抜入試では、大学入学共通テストは選考条件に入りませんが、数学・英語・理科の3教科の学力試験が実施されることが多いです。
大学によって採用する教科に違いがあるので、あらかじめ受験する大学で必要な教科を確認しておくとよいでしょう。
多くの私立大学では数学と英語の2教科は必須となりますが、理科が加わる大学もあります。
いずれにしても、この3教科の学力アップ対策が必要です。
各教科の対策についてはこちらをご覧ください。
ここからは、国公立・私立大学共通で必要な対策を解説します。
まずは提出書類の対策で、各大学で異なりますが提出書類の出来不出来にて選考に影響がでます。
文部科学省の総合型選抜入試への改善点として、活動報告書や入学希望理由書、学修計画書などを積極的に活用することとなっています。
従って、形式的な書類ではなくオリジナリティのある内容になっていなければなりません。
この書類作成については受験生だけでは対応できないのは事実なので、やはりプロのサポートを受ける必要があるでしょう。
国公立大学・私立大学の医学部共通で、面接と小論文対策が必要です。
面接では、どのような質問をされるのかは大学によって異なります。
また面接についてはある程度の傾向は分かっていても、具体的な質問内容は事前に把握できないため、あらゆる質問を想定して備えないといけません。
小論文にしても、一朝一夕に身につくスキルではないので専門家の指導を受けながら、色んな課題に対して対策をとる必要があります。
総合型選抜入試では大学にて異なりますが、プレゼンテーションも必要となります。
この対策では、とにかくプレゼンに慣れるしかありません。
どのように何をプレゼンすればよいかは、やはりプロの指導を受けなければ確実な対策にならないでしょう。
面接・小論文・プレゼンテーションなど、全ての対策の中に受験する大学のアドミッションポリシーをしっかり把握しておくことが重要となります。
総合型選抜入試の目的は、大学が求める人材を確保することですから「アドミッションポリシー」を把握していないと意味がありません。
逆に、アドミッションポリシーをしっかり把握しておけばイレギュラーな質問でも、上手く解答できる可能性が高くなります。
総合型選抜入試の対策はいつからでもよく、早くスタートさせた方がよいと誰もがイメージするはずですが、早過ぎてもよくありません。
いつから対策をはじめるのがベストなのかというと高校2年生です。
ここでは、総合型選抜入試対策のベストなタイミングについて解説します。
総合型選抜入試の受験対策をいつからはじめればよいか、悩んでいる方も少なくありません。
その疑問に関しては「高校2年生から」が答えとなります。
医学部への総合型選抜入試対策は高校2年生からがベストとなる理由は、受験のタイミングにあります。
総合型選抜入試の出願時期は、高校3年生の9月以降となるので高校2年生から対策すれば、1年半の期間を使いじっくり対策することが可能。
仮に高校1年生から対策を行うと、学校の成績に悪影響となるケースが心配です。
学力をアップさせる対策も、高校1年生で医学部受験に必要な学力は身についていません。
面接や小論文、プレゼンテーションなど学校の勉強に関係ない対策に集中してしまうと、学校の試験結果に影響が出てしまいます。
そうなると、偏差値が低くなってしまい受けたい医学部を受験できなくなってしまうでしょう。
高校2年生なら高校生活にも慣れてきて、学校の勉強方法も把握しているので学業と受験勉強のスケジュールを立てて、受験対策に集中できることもベストなタイミングとなる理由です。
では、3年生からの受験対策では間に合わないのかといえば、絶対に間に合わない訳ではありません。
ただし、高校3年生の夏には対策を開始していないと、かなり難しい状況になるといえます。
その理由は、総合型選抜入試の出願開始は9月以降からとなっているので、高校3年生の夏にはどの大学の総合型選抜入試を受験するのか、決定しておかねばなりません。
総合型選抜入試は、受験する大学のアドミッションポリシーを把握する必要があるので、スケジュール的に見ても高校3年生になってからでは、最大でも半年しか対策する期間がないのが事実です。
そのようなことから、総合型選抜入試への対策はいつからでもよいわけではなく、高校2年生がベストなタイミングとなる訳です。
ここまで、医学部受験における総合型選抜入試の内容と、対策について解説してきました。
国公立大学では大学入試共通試験も選考条件にあり、800点から900点以上の得点が要求されています。
私立大学でも数学・英語・理科の3教科の能力をアップさせる必要はありますし、学力以外にも、面接・小論文・プレゼンテーションなど、学校では教わらないスキルが求められています。
これらのことを考慮すると、総合型選抜入試を突破する対策は自力では難しいことが分かります。
学力アップはもちろんですが、面接などの対策は医学部受験に精通したプロに指導してもらうのがベストです。
それを叶えられるのは、医学部予備校しか存在しません。
医学予備校には医学部受験に精通したプロの講師が在籍しているので、専門家の指導を受けられ十分な受験対策が可能となります。
しかも、毎年多くの受験生を総合型選抜入試合格に導いているので、面接も小論文もプレゼンテーションも、全て大学別に傾向をつかんでいます。
各大学のアドミッションポリシーも把握して、ポイントを押さえて指導してくれるので、分かりやすく頭に入るメリットは大きいです。
総合型選抜入試は専願が基本となるので、自由な併願ができる一般選抜とは違い一発勝負になります。
「もし落ちたら、次はこの大学に」とのプランBは存在しません。従って総合型選抜入試を受験するなら、必ず受からなければ浪人がほぼ確定してしまうのです。
一発勝負を必ず成功させるためにも、医学部予備校を活用することは必須といってよいでしょう。
高校2年生から医学部予備校に通って受験対策を行なえば、実力に合った大学の総合型選抜入試を受けられるので、合格率がアップします。理由は、プロの講師が実力を見極めて、合格が可能となる医学部を勧めてくれるからです。
医学部予備校を活用すると、推薦入試対策にも有効となります。この件については、ぜひ「医学部の推薦入試対策のポイントと大阪エリアでおすすめの予備校4選」記事を、併せてご覧ください。
今回は、医学部受験における総合型選抜入試を突破する対策について解説してきました。
総合型選抜入試には、学力だけでなく大学が求めている人材であるかの適正を、さまざまな角度から多角的に評価されます。
これらの対策は、自力では不可能といっても過言ではありません。
そこで、総合型選抜入試を突破するには医学部予備校を活用することが必須です。
総合型選抜入試は専願となるため、一発勝負で合格を勝ち取らないと浪人がほぼ決定してしまいます。
総合型選抜入試を突破するためには、高校2年生から医学部予備校を活用することがベストな選択といえるのです。