京都府立医科大学は「世界トップレベルの医療を地域へ」を理念に掲げている国公立大学です。
国公立大学の医学部の中でも指折りの難関校であり、理念通り世界トップレベルの医療を学べる場所となっています。
京都府立医科大学の関西で医学部の受験を考えている方向けの入試情報も記載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
京都府立医科大学は、療病院から医学部が設立された日本では珍しい歴史の医学部です。
療病院から始まったため、臨床に熱心に取り組む姿勢が強く、幅広い教養と基礎教育、医学教育との連携を重視しているのが特徴となります。
国際的に通用する一流の医師、医学研究者を育てることを教育理念としていますが、単に医師や研究者の育成だけでなく、社会の指導者として人材を輩出することも目的としています。
「世界トップレベルの医療を地域へ」という理念を掲げ、京都府の地域医療の活性にも貢献しているのが特徴です。
医療で地元に還元したいと考える人にとって、京都府立医科大学は適しているといえるでしょう。
京都府内に規模の大きな附属病院を複数確保しているため、多くの学生が充実した研修を行うことができるのも強みです。
複数の病院と福祉施設見学を、1学年で早期体験実習として行うことで、学生の医学や医療に対するモチベーションを高める取り組みも行っています。
京都府立医科大学の各学科情報を記載しています。各学科の特徴、就職先の傾向をまとめているので参考にしてみてください。
京都府立医科大学の医学部医学科の特徴と就職先の傾向をご紹介します。
6年制の学科で、下鴨キャンパスで教養教育を、河原町キャンパスで専門教育を学んでいきます。
1学年に教養教育の講義と実習が下鴨キャンパスで行われ、2学年の1学期から河原町キャンパスで基礎医学教育が開始されます。
そこから社会医学、臨床医学の講義、実習が実施されていき、4学年の秋には臨床実習に進む前に共用試験であるCBTを実施していきます。
大学の関係病院も学外臨床実習の場として、学生を派遣して経験を積ませていくのが特徴です。
6学年の最後に卒業試験を行い、医師国家試験に合格できるように指導体制を整えて、社会に貢献できる医師や研究者の輩出に努めています。
その他、アメリカ合衆国のオクラホマ大学医学部や英国のリーズ大学での4週間の実習留学も行っています。
日本国内の活躍はもちろんのこと、海外での活躍も視野に入れて、学生が豊富な経験を積めるようなカリキュラムを組んでいるのが特徴です。
卒業後、医師国家試験に合格して研修医として2年間研修を実施。
研修医として働く場所は、京都府立医科大学附属病院、または認定された他の研修指定病院です。
2年間、研修医として働いた後は専門領域の修練に進みます。
研修医として2年修練を行った後、医学研究を行うために大学院へ進学する人も少なくありません。
解剖学や生理学などの基礎医学や法医学などの社会医学の研究を目指す場合は、卒業後すぐに大学院に進学することもあります。
卒業後3年目からは大学附属病院、または関連の病院で医師として本格的に働いていくことになります。
京都府立医科大学の医学部看護学科についても見てみましょう。
心と技術と知識のバランスのとれた看護職者を育成するという精神の元、看護実践能力を育てるための教育を目指しているのが特徴です。
河原町キャンパスと、広小路キャンパスで授業を行います。
人間性の形成を目指す「基礎、教養科目」、専門的知識を学ぶ「専門基礎科目」、専門的な理論と技術の習得を目的とする「専門科目」の3分野で構成されているのが特徴。
1,2学年で「基礎、教養科目」、2,3学年で「専門基礎科目」、「専門科目」1~4学年で学んでいきます。本格的な臨地実習は3,4学年で行っていきます。
少子高齢化による保険や医療、福祉サービスの変化に対応できるように、看護実践能力と知識を兼ね備えた人材育成を目指したカリキュラムを組んでいるのも特徴です。
長い歴史の中で培われた実践経験と豊富な知識、その時代に対応できる柔軟な姿勢で今後の看護の発展に貢献できる教育を行っています。
卒業に必要な単位を取得することで、看護学士の学位、看護師国家試験の受験資格が得られます。
また、科目選択によっては、保健師や助産師国家試験の受験資格が得られ、試験に合格することで資格を取得できます。
資格を取得し卒業した後は、京都府内や関西の病院、医療機関、訪問介護ステーションなどに勤務。
京都府立医科大学附属病院が主に勤務先として多いですが、その他の病院、医療機関に勤務する人も少なくありません。
取得した資格によって、看護の教育機関、保健所、介護福祉施設、保育所、研究施設に勤務する人も多く、卒業後に活躍の場が広いのも看護学科の特徴といえます。
京都府立医科大学の入試情報を記載していきます。
出願方法や大学のアクセス情報も合わせて把握しておくことで、受験当日への準備をしっかり行うことができるので、確認しておきましょう。
医学科の入試は一般選抜と学校推薦型選抜の2種類です。
定員は以下の通りです。
一般選抜(前期日程) | 学校推薦型選抜 | 計 |
---|---|---|
100名 | 7名 | 107名 |
医学部医学科の一般選抜前期は共通テストと個別試験(二次試験)となっています。
共通テストの入試科目は受験教科数5教科、受験科目数は7科目で配点合計は450点です。
教科 | 科目 |
---|---|
国語 | 国語必須 |
地理歴史・公民 | 世界史B、日本史B、地理B、現代社会、倫理、政治・経済、倫理及び政治・経済 から1科目選択 |
数学 | 数学Ⅰ・数学A必須 +数学Ⅱ・数学B、簿記・会計、情報関係基礎から1科目選択 |
理科 | 物理、化学、生物から2科目選択 |
外国語 | 英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語から1科目選択 |
一般選抜の個別試験入試科目は受験教科は、英語、数学、理科(物理、化学、生物から2科目)の3教科で配点合計は600点です。
この他、小論文と面接を行います。
学校推薦型選抜でも、共通テストと個別試験を行います。
共通テストの入試科目は受験教科数5、受験科目数は7、配点合計は900点です。
個別試験は面接のみとなります。
教科 | 科目 |
---|---|
国語 | 国語必須 |
地理歴史・公民 | 世界史B、日本史B、地理B、現代社会、倫理、政治・経済、倫理及び政治・経済 から1科目選択 |
数学 | 数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ・数学B 必須 |
理科 | 物理、化学、生物から2科目選択 |
外国語 | 英語必須 |
なお、令和7年度入試から共通テストは「情報Ⅰ」の教科が増え、受験教科と科目が1つずつ増えることになります。
一般選抜と学校推薦型選抜ともに6教科8科目となり、一般選抜の配点合計は500点、学校推薦型選抜は1000点に変更されるので注意しましょう。
また、個別試験は数学Cが増え、「英語表現Ⅰ・Ⅱ」から「論理表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」に変更されるので、受験する年と合わせて確認しておきましょう。
医学科の入試は一般選抜と学校推薦型選抜の2種類です。
定員は以下の通りです。
一般選抜(前期日程) | 学校推薦型選抜 | 計 |
---|---|---|
45名 | 40名 | 85名 |
共通テストと個別試験を行います。
共通テストの入試科目は受験教科数5教科、受験科目数は6から7科目で配点合計は900点。
教科 | 科目 |
---|---|
国語 | 国語必須 |
地理歴史・公民 | 世界史A、世界史B、日本史A、日本史B、地理A、地理B、現代社会、倫理、政治・経済、倫理及び政治・経済 から1科目選択 |
数学 | 数学Ⅰ・数学A必須 +数学Ⅱ、数学Ⅱ・数学B、簿記・会計、情報関係基礎から1科目選択 |
理科 | 物理基礎、化学基礎、生物基礎から2科目選択 または、物理、化学、生物から1科目選択 |
外国語 | 英語必須 |
個別試験の入試科目は、総合問題は英語と小論文で配点はそれぞれ100点ずつ、合計200点で面接も行っていきます。
なお。医学科と同じく共通テストの一般選抜は令和7年度入試から「情報Ⅰ」の教科が増え、受験教科と科目が6教科と7から8科目に変更されます。
学校推薦型選抜は個別試験のみで、入試科目は小論文と面接のみとなっているのが特徴です。
例年1月下旬から2月上旬の間に受付けを行っています。
出願書類は公式サイトに掲載していないので、ネット受付けは行っていません。
紙の願書だけで受付しており、資料請求から取り寄せる必要があります。
提出書類は書留で郵送するよう指定があるので、しっかり確認して送りましょう。
京都府立医科大学のキャンパスは複数に分かれているので注意。
説明会や入試当日はどのキャンパスで行われるのか確認しておきましょう。
【河原町キャンパス】
〒602-8566 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465番地
【広小路キャンパス】
〒602-0857 京都市上京区清和院口寺町東入中御霊町410番地
【下鴨キャンパス】
〒606-0823 京都市左京区下鴨半木町1-5
【河原町キャンパス・広小路キャンパス】
【下鴨キャンパス】
京都府立医科大学は世界トップレベルの医療を目指しながら、それを地域医療に還元し、地域の活性化に繋がることを重視しています。
地元のことを考えて医師や看護師を目指す人にとって重要なことを学べる場所でもあり、教育内容の良さも合わせて受験先に選ぶ人も多いのが特徴です。
医学科、看護学科どちらも基礎的な部分をしっかり構築してから、実践や経験を積んでいくことになります。
附属病院で実際の現場を経験することが可能なので、卒業後の研修や勤務も安定して行えます。
研究を行いたい場合は大学院に進学することも可能なので、進路も幅広く選択することが可能。
京都府内に数多く付属病院があり、教育機関である大学との連携も重視しているため、人材育成に特化している大学ともいえるでしょう。
京都を中心に関西で、医師や看護師として活躍したい人は、ぜひ京都府立医科大学の受験を考えてみてはいかがでしょうか。