全学部の中でも最難関と言われる医学部受験では英語も重要な科目です。
しかし医学部だからといって、一般学部受験と比べて大きく異なる学習が必要かというとそうではありません。
重要なのは志望大学の出題傾向をとらえた対策を行うことです。
医学部受験では英語以外にも数学や理科系科目など、学習に時間のかかる科目もあります。
それを踏まえ、もともと持っている基礎力や英語が苦手かそうでないかによっても、時間のかけ方や学習のすすめ方が変わるため、自分に合った勉強法を知る参考にして下さい。
目次
医学部を突破するには、理数系科目と同様、英語も重要な科目です。
他の科目にも共通しますが、重要なのは、志望大学ごとの出題傾向を知り、効果的な勉強法を実践することです。
大学ごとに出題傾向は異なるものの、大きく私立大学と国公立大学でも出題傾向や、出題の形式が変わります。
多くの私立大学では一般に、英作文を求める問題はあまり出題されませんが、和文の英訳が出題されることがあります。
また長文読解では、正誤問題や整序問題が多く出題される傾向にあるのも特徴です。
国公立大学でも長文読解が多く出題されますが、私立大学と比較して記述式の問題が多く、要約や論旨把握が出題されることが多いため、確実に英文を理解する力とともに、筆者の主張や文章全体を読み解く国語力も大切になります。
医学部の英語では、私立、国公立ともに一般学部と比較して長文読解が多く、1問あたりの英文のボリュームも多いのが特徴なので、1問あたりに時間をかけすぎないためには、正確で確実に英文を理解する力が求められます。
また医療現場を想定した、自然科学や医療をテーマにした長文が出題されることが多いため、背景に関する知識とあわせて医療単語の知識も持っておくことが重要です。
理科系の科目に関してはこちらをご覧ください。
医学部受験は難関ですが、英語の試験では難解な構文を用いた問題や英作文が出題されることは、ほぼありません。
医学部が難関だからと、英語の勉強法を間違えると効率が悪くなります。
最も重要なのは、基礎力を確実につけることであり、苦手な人や自信の無い人は、基礎固めからしっかりと始めましょう。
また医学部英語には長文問題が多く出題されるため、普段から長文を読む練習をすることになりますが、基礎の無い状態ではいくら長文を多く読んでいても力はつきません。
まずは一般学部受験の英語対策と同様、英単語や構文、イディオム、英文法を覚えることが最重要です。
医療をテーマにした長文が出題されることも多いですが、医療単語の習得自体が合否に影響することはないため、まずは長文を読むのに必要な一般的な英単語や構文の習得を最優先にしましょう。
そして英語の場合、数学のように解き方や公式を理解することで成績に現れるものではなく、英単語や熟語、構文の暗記が重要な勉強法です。
コツコツと単語等の暗記を続けながら、長文を読む練習を重ねることで、読解力がつき早く読むことができるようになります。
医学部英語では一部の私立文系学部のように難解な構文を使った文章や、高度なレベルの文法や英単語が必要な問題は出題されないため、高度な勉強法より確実な基礎固めが重要です。
また英語の学習は積み重ねが成績に反映する科目です。
知っている英単語や熟語、構文が多ければ多いほど、スムーズにスピードを持って長文を読み進められます。
また正誤問題や整序問題の多く出題される医学部英語では、文章を読むことに必死で、文全体を通した内容の理解や筆者の述べたいことなど、論点の理解にまで及ばないと正確に解答できません。
そのため、とにかく単語や構文の暗記が重要になりますが、長文を読む中でその構文が使われていることを見抜けるようになる必要があるため、継続して長文を読む練習をします。
そして暗記の方法は好みの勉強法にもよりますが、単語帳をハイペースで何度も繰り返して見返す方法がおすすめです。
単語ひとつずつを確実に覚えていくより、例えば1日100個の単語を2週間程繰り返し覚えていけば、相当数の単語はある程度記憶に残ります。
2週間経って、覚えられていない単語は別に紙などに列挙しておいて重点的に覚えます。
英文を読む際、分からない単語や曖昧な単語は、辞書で調べた上で自分の使っている単語帳にも載っているか確認します。
一見無駄な作業とも思えますが、記憶を重層的に作ることで定着率も高まります。
医学部合格に向けた学習の中でありがちな失敗として、医学部が難関であることと英語の出題レベルを結び付けてしまうことがあります。
医学部受験で重要なのは、基礎力を確実に固めることです。
医学部受験においては、苦手な英語を他の受験科目でカバーすることは不可能なので、英語を得意科目としていない人や自信の無い人は基礎力の習得が優先です。
医学部受験では長文問題が必ず出題されボリュームも多いのが特徴です。
しかし長文だからといって、難解な構文を使った文章ばかりということはなく、基本的な構文やイディオムを理解していれば読み進められるものがほとんどです。
全体のボリュームが多く、一文あたりも長いからこそ、その中のどの部分に構文やイディオムが使われているかを、瞬時に読み取ることができれば問題文をきちんと理解できるため、難易度の高い問題集等に取り組むのではなく、基礎を固めながら普段から長文読解の練習を積み重ねる勉強法が重要です。
また医療系の英単語の暗記に力を入れる人もいますが、これらの知識の有無で合否に差が出ることは無いので、全ての基礎の習得後に短期間で済ませる程度にしましょう。
医学部突破を目指す際の英語の勉強法を紹介します。
英語の学習において英単語や熟語の暗記は、基礎的学力の礎になります。
英文を読む時、まずは単語を知らなければ内容は理解できません。
まずは英単語、熟語の暗記を早期に終えましょう。
英語を苦手科目としていながらも、難関医学部に合格した学生の多くが、カギは英単語の暗記と感じています。
また正誤問題の多く出題される私立大学等では、内容の本質や筆者の意図する内容まで理解することが重要なので、より確実な単語力が必要です。
英文法の習得は初めから問題集に取り組むより、講義型の参考書を使って英文法の基礎をひと通り覚えるのがおすすめです。
特に文型や自動詞と他動詞の違い、日本語と大きく異なる修飾のルール等をきちんとおさえましょう。
英文法の理解ができれば、文型や文中の名詞の修飾語句を意識して読むことができるため、速読につながります。
英作文の練習は、前述の英単語や熟語、英文法の暗記ができていなければできません。
そのため上記の学習がある程度済んだ段階から、英作文の練習を始めます。
特に英語特有の表現やイディオムなどは、知識として知っていなければ使うことができないため、問題集を通して習得しておくことで、大きな得点源になります。
長文を読んで内容の正誤や整序問題を課す医学部英語では、ボリュームがあり一文も長い英文を的確に理解する読解力が求められます。
長文に疲れず最後まで読むには、長い文章の中で、どれが主語でどれが動詞か、修飾語句はどれかをすぐに理解できる必要があります。
長文を読む際には、スラッシュを入れて区切りながら読んでいくと、長い文章も整理して読むことができ、より精度の高い内容理解につながります。
リスニングは対策法がわからず苦手意識を持っている人も多くいますが、英語にはリズムがあり日本語よりも早い速度で話すため、まずは英語のリズムとスピードに慣れる必要があります。
また聞くことに慣れれば、必ずリスニン力はつきます。
毎日少しずつでも問題集付属のCD等を使って聞く練習を続け、センター試験などの過去問を使って実践練習をします。
単語の暗記には「DUO」がおすすめです。
この1冊で難関医学部まで対応できるので、何度も繰り返し復習しましょう。
英文法の習得には「チャート式基礎からの新々総合英語」や「ネクステージ」がおすすめです。
特に「ネクステージ」は難関大学を目指す学生から、代々バイブルのように受け継がれている参考書です。
この参考書に載っている事項はすべて、網羅できるように繰り返し学習しましょう。
医学部英語で多く出題される、長文読解の演習におすすめなのは「基礎英文問題精講」です。
基礎から応用まで段階的にマスターできる上、時事的なテーマを扱う問題もあり、最近の入試問題の傾向に沿った演習ができます。
英作文の練習には「基礎英作文問題精工」がおすすめです。
問題数が豊富で、解答例が複数掲載されているので、入試英作文に必要な文法や構文、表現力の習得ができます。
リスニング対策には「DUO」や「速読英単語」のCDがおすすめです。
どちらもスピード別に2バーション収録されていて、「速読英単語」はディクテーションテスト付き、確認問題で習熟度チェックもできます。
医学部受験における英語の出題傾向や勉強法を紹介しました。
医学部に合格した学生の多くが、医学部は難関だが、基礎の徹底で十分合格が可能だと感じています。
基礎だけと聞くと一見簡単に聞こえますが、英語、数学、理科2科目の習得が必要です。
さらに国公立受験では国語と社会も必要です。
これら全ての教科で、基礎を徹底することはとても難しく、苦手な科目と得意な科目間のバランスを取りながら勉強しなければなりません。
医学部合格を目指すには、難解な問題集や参考書まで視野に入れるのではなく、まずは基礎力を徹底して身につける勉強法を実践しましょう。
医療系英単語や応用問題集は時間に余裕がある場合に、とりかかる程度と考えておくことをおすすめします。