医学部受験で化学を選択すると、物理と生物の出題範囲と化学の出題範囲が重複しますので、理科の勉強時間を少なくできるメリットがあります。
ただし理論化学、無機化学、有機化学の3つの分野を把握する必要があり、勉強法が重要となります。
逆にいえば、化学の勉強法を間違えなければ医学部受験合格に近づけることになります。
そこで今回は、大学別の化学の出題傾向と勉強法、化学の勉強におすすめしたい参考書をご紹介します。
目次
医学部を受験する場合、国公立大学と私立大学とでは科目の出題傾向が異なるケースが多いです。
もちろん化学も例外ではなく、国公立大学と私立大学で出題傾向が変わってきます。
そこでここでは、それぞれの大学の出題傾向について解説します。
国公立大学の化学では、基礎レベルの知識について正誤問題や穴埋め問題が出題傾向にあるようです。
理論化学では計算問題が多くなっていますので、計算ミスを誘うような問題も出題されています。
過去問を見てみると難しそうに感じますが、高校で習った基礎知識がしっかり身についているかを試す問題がほとんどです。
私立大学の化学の出題は大学ごとに特徴があり、出題傾向を一様にまとめるのは難しいです。
ただどの大学でも基本的な知識を問うのではなく、特殊な発想が必要な問題が出題されることが多いのは確かです。
高校で習った知識を応用して、複数の公式を使いこなしてはじめて解ける問題では、試験時間を削ってしまいます。
このような特殊な問題は、ほかの問題を解き終わった後に回せるかどうかがカギとなっています。
落とし穴的な存在となるので、解ければよしで、解けなくてもどのように扱うかが試される問題となります。
化学の勉強法は国立大学と私立大学で異なるのかというと特に違いはなく、とにかく共通して「基礎力」が重要になります。
いずれの医学部受験でも化学の試験は、基本的な知識が身についているかが最も問われます。
出題の仕方が選択方式や穴埋め方式に変わるだけで、問われている内容は基礎力になっています。
基礎力があれば、理論化学、無機化学、有機化学の、どの分野から勉強を開始しても問題ありません。
化学には理論化学、無機化学、有機化学の3分野が存在しますが、勉強する順番はどの分野からでもかまいません。
その理由は、各分野が独立しているからです。
従って各分野に対して集中して勉強すると、意外に早く習得でき「理科では化学がお得」といわれているのです。
たとえば、理論化学の勉強なら次の項目に絞って公式を覚えると、比較的簡単に習得していけるでしょう。
これらの項目ごとに公式を覚えて基本計算ができるようになれば、理論化学がいち早く身につきます。
そして試験本番で計算に時間がかからないように、計算スピードが速くなるトレーニングを積むことが重要です。
理論化学では計算問題が多いのに対して、無機化学と有機化学は暗記が多い分野となります。
勉強方法としては、ひとつのことを深追いしないで「①暗記⇒①復習⇒②暗記⇒②復習」の、繰返しとなる勉強法が有効です。
たとえば、①の暗記を完璧にするために深追いすると、②になかなか進めません。
①をある程度暗記したら問題を解いて、間違ったところを復習で補完したら、②に進むようにすれば分野全体を覚えることが可能になります。
仮に各分野で①から⑩までのブロックがあるとして、どこかのブロックに固執して止まってしまうと、最終的に⑩に辿り着けなくなってしまうかもしれません。
試験は化学だけではないので効率よく勉強するためにも、繰返しで進んでいく暗記法が点のとれる勉強法になります。
高校立大学の医学部受験では、共通テストと2次試験があるのでそれぞれの対策が必要です。
最初に受験する共通テストでは、化学の特典は90%を目標に勉強します。
共通テストの過去問を解きながら、傾向に合わせた勉強が効果的です。
次に二次試験ですが、ここでは満点を目標とした勉強が重要になります。
国公立大学の医学部受験であっても、医学部専門となる問題が出題される訳ではありません。
理系学部共通の問題が出題されるので、標準的なレベルであり比較的点が取りやすい特徴があります。
従って二次試験では、満点を目標に勉強すると合格率がアップします。
私立大学では先にお伝えしているとおり、特殊な発想が必要な問題が出題される傾向にありますが、これも各大学で異なります。
よって、私立大学での化学の勉強は各大学の過去問を解いて、傾向をつかむ勉強法がおすすめです。
また、分からない問題は参考書を頼りに、しっかり理解しておけば本番でも心配しなくて済みます。
やはり問題を解くには基礎力が重要となりますので、基礎をしっかり理解できる勉強法がポイントになってきます。
化学の勉強を確実にするためには、基礎力を確実につけることが重要です。
たとえば、高校3年生で化学の受験勉強をしていて基礎的な問題につまずいたら、高校1年や2年の教科書を見直す必要があります。
しかし、参考書があれば昔の教科書を見直す必要がなくなるばかりか、解説も載っているため効果的に基礎力を定着させることが可能となります。
参考書のメリットは、時間を有効的に使いながら実力を確認し、そして実力をアップできるアイテムであることです。
化学の勉強を確実にするには過去問も有効ですが、併せて参考書を使うとより確実な勉強ができます。
ここまで何度も出てきた「基礎力」がついているのか実力を測るには、参考書がベストです。
その理由は、化学の参考書には基礎編から応用編まで、実力のランクに応じた内容を選ぶことができるからです。
さらに、自分が分かりやすい参考書を選ぶのもポイントです。
いくら評判のよい参考書でも、自分に合っていなければ内容を理解できないので、逆に勉強に時間がかかってしまいます。
それではここで、医学部受験の化学の勉強におすすめしたい参考書5選をご紹介します。
著者名 | 柿澤 壽 |
出版社 | 旺文社 |
おすすめしたい人 | とにかく化学の基礎を身につけたい人 高校1年生の人 |
この参考書のおすすめポイントは、化学の基礎が分かりやすく解説してあることです。
化学の基礎知識は確実にしておかないと、後々つまずいてしまい化学の点が低いままになってしまいます。
そうならないためにも、この参考書で早めに対策を取っておくことをおすすめします。
入試問題も掲載されているので、基礎力の確認もできます。
著者名 | 鎌田真彰 |
出版社 | 旺文社 |
おすすめしたい人 | 化学の基礎力を確認・定着させたい人 |
この参考書のおすすめポイントは、医学部試験への出題傾向が分析されていて、実際に出題された試験問題から基礎的な問題ばかりがチョイスされている点です。
また、理論化学、無機化学、有機化学、全ての分野の問題が載っていることから、この1冊があればスームーズに化学の基礎力を試せます。
著者名 | 第一学習社 |
出版社 | 第一学習社 |
おすすめしたい人 | 化学の基礎力を確認・定着させたい人
基礎から応用問題へ勉強をレベルアップさせたい人 |
この参考書のおすすめポイントは、理論化学、無機化学、有機化学の基礎的な問題から応用問題まで、レベル別に問題が掲載されている点です。
基礎力を確認した上で応用問題に取り掛かれるため、幅の広い勉強法が可能となります。
解答は解答編として別冊になっており、答えをチラ見できないので確実な知識が求められます。
著者名 | 卜部 吉庸 |
出版社 | 三省堂 |
おすすめしたい人 | 化学の学力を定着させたい人 |
この本のおすすめポイントは、入試化学の出題傾向が分析されていて、出題される頻度の高い問題が網羅されている点です。
また、難易度が3段階に設定されているので、現状のレベルに合った問題にチャレンジでき、化学の理解度が深まります。
著者名 | 卜部 吉庸 |
出版社 | 三省堂 |
おすすめしたい人 | 化学の知識をよりアップさせたい人
化学の基礎力が身についている人 |
この本のおすすめポイントは、誰でも分かりやすい解説になっているので、解けなかった問題も「どうして解けなかったのか」の、理由がはっきり分かる点です。
それによってより深く確実な知識を身につけられ、化学の勉強には効果的な参考書です。
化学試験の高い得点を狙うために作られており、化学の基礎力が身についている人におすすめです。
今回は医学部受験における化学の出題傾向を解説すると共に、おすすめできる参考書を5冊ご紹介してきました。
医学部受験において理科は必須教科となっていて、物理・化学・生物の3科目の中から2科目を選んで受験することになります。
その中で化学を選ぶと、理科で高得点を狙うことが可能となります。
その理由は化学の学習範囲は、物理・生物の両方の学習範囲と重複する部分あるので、効率的な受験勉強ができるからです。
化学の基礎力をつけたい方や学力をアップさせたい方は、コラム内でご紹介している参考書をぜひご検討ください。
こちらでは生物と物理の対策についてご紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。