医学部受験におすすめの参考書|参考書の活用方法を徹底解説

公開日:2020.10.20 更新日:2023.10.05
医学部受験におすすめの参考書|参考書の活用方法を徹底解説

参考書と名のつく本は数えきれないほどありますが、医学部に合格するために選ぶ本で大切なのは自分のレベルに合ったもの、苦手な項目が短時間で理解できることです。どんなに内容が優れた本を手に入れても正しい使い方でなければ結果として結び付かないでしょう。今回は参考書の何にこだわって選んできたのか、間違った使い方の一例や医学部に合格した先輩方おすすめの本と活用法を解説します。受験生は必見、選ぶときの参考にしてみてください。

医学部に合格するために選ぶべき参考書

医学部に合格するために選ぶ参考書の基準は、自分が苦手としている項目の解説を見て短時間で理解できるかどうかがポイントです。

書店などでざっと全体に目を通してもその場で入ってくる内容は限られています。苦手な部分でも「そうなんだ」とわかる部分があれば、現時点で理解している内容もより深く理解できるのではないでしょうか。

全体で7割くらい「これならいける!」と思えるのが目安だと言われており、みなさんにとって使える参考書になるわけです。

医学部の合格レベルが高いとはいえ、試験では基礎学力が問われます。選ぶ際の参考までに次のパターンに分けてみましたのでどちらが自分に適しているか考えてみてください。

解き方である基礎が丁寧に書かれているもの

解き方の解説に加えて考え方や実際の例題を使って解く過程を示したものがあります。学校の教科書をイメージしていただくとわかりやすいです。

見落とされてしまうチェックポイントなどが書かれているのが理想で、公式だけではなく例題があると理解度が変わります。適度な練習問題は覚えた内容を定着させるのに役立ちます。

解き方とレベルアップさせた応用・演習問題が載っているもの

解き方のポイントがスリムにまとめられ、練習問題と少しハイレベルな問題が掲載されています。

問題数を解くのであれば練習問題から発展させた応用・演習問題を解いていくことで出題傾向のパターンに慣れます。1つの問題に長い時間がかかるようなら難しすぎることも考えられます。

苦手な部分を潰すために購入するのか、いろんなパターンの問題に慣れたいのかで選ぶ中身が違ってきます。

そんなことくらいわかっているつもりでも、いざ選ぶとなると膨大な量の参考書を前にどれを重視するのか迷子になりがちです。よくあるのが書店でイチオシしている有名な塾や予備校が監修した本、それが自分のレベルに合うかは別問題です。

どの解説だったら一番理解しやすいか、苦手な部分の解説を比較してこれだったら大丈夫だと思える本を見つけましょう。

参考書の正しい活用方法

本を手に入れたまではよいのですが、それだけで満足していませんか。使うからこそ価値がある参考書の活用方法を見てみましょう。

1つめは行きたい医学部のレベルまでを段階的に引き上げ、出題傾向に合った問題を解くようにしましょう。

目指している大学のレベルを目標に考えてみましょう。例えば基礎と発展の2ステップで勉強するとします。

発展では希望大学で出題された過去問を中心に取り組みます。レベルが高すぎると継続する前に挫折してしまいますのでモチベーションを保つためにも基礎から計画的にステップアップしていくのが理想です。

2つめは1日で無理なく消化できる問題量を決め、詰め込まないようにすることです。

たくさん問題を解けばいいのではなくリズムよく解くのを身につけるようにします。1問につき5分を目安に継続していける数を設定しましょう。毎日の積み重ねが、やればできるという実感につながります。

2つに共通しているのは自分のレベルに合った参考書でやみくもに問題を解かず継続させる点です。継続は力なりと言いますが、毎日コツコツと続けることで基礎をしっかり身につけます。

大量の問題を解くより決められた数を解くほうが効率的です。試験当日はテンポよく試験に取り組めるように目標レベルとして実力より少し手を伸ばせば届くくらいの内容を選ぶようにしましょう。

参考書の間違った使用方法

せっかく購入した参考書も間違った使い方をしていてはもったいない。思うような結果が得られないと悩んでいるみなさん、改めていっしょにチェックしてみましょう。

いきなりハイレベルな問題に取り組んでいる

基礎が固まっていないうちにレベルが高い参考書に取り組んでも解くのに時間がかかり続きません。自分の頭の中で消化するのに苦労してしまい、やる気がなくなった経験はありませんか。

基礎固めに必要な簡単だと思える内容から背伸びしなくても手を伸ばせば余裕で届くレベル、背伸びしてどうにか届くレベルと段階を踏みましょう。

一度解いてしまったらそれで満足している

医学部に合格した先輩のコメントで多いのが、「繰り返し問題を解いていた」という言葉です。複数の参考書を解くのではなく1冊の本を全部やり切ります。

繰り返すことにより弱点が見えてきますし、最終的に問題を見て解き方を説明できる理解度を目標にしましょう。

参考書の問題だけで終わらせている

あくまで参考にするための本ですから教科書とワンセットで勉強を進めます。教科書に書かれている基本問題が解けずに範囲を広げても実力として身につきません。

試験によく出ると書かれた本はあくまでピックアップされたものであり教科書の内容すべてを網羅しているわけではないので要注意です。どの分野が出題されてもいいように攻略していきましょう。

心当たりがある人は活用法を今一度見直してみてください。

過去問を集めた参考書は必要?

基礎を固めたうえで過去問を集めた参考書を使って演習します。国公立大と私立大で違いはあるのか?また、問題の過去問とはいっても何年分遡ればいいのか?などの目安を見ていきましょう。

国公立大とは違い私立大では過去問にその大学にしかないクセが出ることが多いようです。最低でも5年から10年前の試験問題を解いていきます。遡る理由は傾向をつかむのと実際に出題された試験問題に慣れるのを目的にしています。

各教科偏りなく勉強するのも大事ですが分野別で出題傾向を探ってみましょう。

大学によってどの分野で出題されていることが多いのか、問題のスタイルに注目し苦手だと感じた問題に慣れておきます。間違っていたところをノートに書き出し、苦手分野を克服している人もいます。

近年の傾向として出題形式の変化があった大学が見受けられますが、教科書に載っている基礎内容から出題される事実は変わっていません。

時間内で確実に問題を解き合格点を取るのはどこの大学も同じ、過去問は現在の自分の仕上がり具合を試すのに最適な教材なのです。

自分の目標にあった、過去問集を使用し、間違った部分は必ずやり直し理解しておきましょう。

おすすめの参考書

これから探す人は必見!英語と数学、化学で医学部の先輩方おすすめの参考書をピックアップしています。たくさんある中で使い勝手のよさなど感じ方に個人差はあると思いますが参考にしてみてください。

英語

英語 名称 特長 対応レベル
基礎単語 東進ブックス
英単語センター1800
共通テストに役立つ英単語を収録 国公立2次・私立大
文法 いいずな書店
総合英語Evergreen
基本の英文法を網羅
細かく解説され苦手部分克服用として役立つ
基礎~発展
速読・長文 Z会
速読英単語 必修編・改訂第7版
英文のストーリーで
単語を身につける
7段階でレベルアップ
共通テスト・私立大

東進ブックスの基礎単語英語

英単語センター1800

「東進ブックスの基礎単語英語」ではカタカナでルビが振ってあるため、英語が苦手でも取り入れやすい参考書になっています。

医学部の受験では長文で知られる私立大も存在するため、単語数が多めの1800語が目安になっています。英単語の意味を瞬時に理解できることが長文対策につながります。

文法はいいずな書店の総合英語Evergreen

総合英語Evergreen

「文法はいいずな書店の総合英語Evergreen」ではイラストや図を使った解説で文法の成り立ちがわかりやすく解説されています。

専用のアプリがあり例題を音声で聞くことができ、ヒアリングの練習にもなります。英文法の基本から発展形までを徐々にステップアップしていける内容です。

Z会速読英単語 必修編・改訂第7版

Z会速読英単語 必修編・改訂第7版

「Z会速読英単語 必修編・改訂第7版」は英文のストーリーに基礎となる単語を織り交ぜたものです。

無料で公開されている単語音声は軽快な音楽と明瞭な発音で単語を楽しく聴きながら覚えることが可能で、まとめて、またはファイルごと(No.70まで)のダウンロードを選択し自分のペースで勉強を進められます。

上記のように英語の勉強のパターンとしては2種類あり、英単語をひたすら覚えるか、英文の中でストーリーに関連付けて記憶していく方法があります。
家で勉強するなら単語を音読し印象付けるやり方もありますが自分が一番覚えやすいスタイルを選ぶことが大事です。黙々と暗記するより覚えた内容をアウトプットするほうが記憶に残るとも言われています。

動画でさらに詳しく解説している本もあり、ヒアリングで音の情報をプラスしながら五感を使ってしっかり知識として定着させましょう。

英語の勉強法やおすすめ参考書についてはこちらでも紹介しています。

数学

数学 名称 特長 対応レベル
基礎 学研教育出版
やさしい高校数学
公式の成り立ちを解説
基本中の基本を復習
基礎固め~復習
基礎・演習 旺文社
基礎問題精講
基礎問題と演習の繰り返しで定着 共通テスト・国公立大・私立大
応用・演習 啓林館
FocusGold
4thEdition
どの式で解くのかパターンを知識として得られる 国立大・難関私立大

学研教育出版のやさしい高校数学

やさしい高校数学

「学研教育出版のやさしい高校数学」では定期テストの復習用として普段から使用できます

詳しく解説しているため多めのページ構成になっていますが、なぜそのような解き方になるのか授業ではなかなか触れないお話を載せているところも選ばれる理由の1つです。

これくらい大丈夫だと思っていた部分が実はあやふやだったり、時間の経過で忘れていたりなど、解き方を思い出すのに適した数学の解説書です。

旺文社の基礎問題精講

基礎問題精講

「旺文社の基礎問題精講」は共通テスト、私立大、国公立大、難関私立大までに対応している参考書で入試に出題される基本的な問題を基礎問として扱っているのが特長です。

例題と演習の問題数が多すぎず少なすぎずとバランスが取れており、演習問題では例題より少しレベルアップした問題が出されているためテスト前の仕上げにも最適で基礎を踏まえたレベルになっています。

啓林館のFocusGold4thEdition

FocusGold

「啓林館のFocusGold4thEdition」は国立大、難関私立大に対応しています。

1巡目は解けなくても気にせず解説を読むのを推奨、問題のパターンと解き方を考えながら読み進めることで捻った問題でも解けるようになっていきます。

自分なりに仮説を立て例題で確認する流れで勉強します。基本から応用までステップアップする構成で、圧倒的な問題数から毎日コツコツと積み重ねが必要な1冊です。

どの教科も使い方としては、基礎固めのあと例題、解説で理解度を高め過去問を解き演習します。

1冊に対して平均3回は同じ参考書を使用する人が多く、何度も解き直し内容を繰り返すことで基礎を定着させていきます。

問題は全問解ける必要はありません。1巡目は全体の7~8割程度を目安に時間がかかったり、わからなかったりする問題をノートなどにまとめます。

教科書と併用して解けるようになったら2巡目、3巡目にはいるころには問題を見ると解法が浮かびテンポよく解けるようになるのを目標にします。

数学の勉強法やおすすめ参考書についてはこちらでも紹介しています。

化学

化学 名称 特長 対応レベル
基礎 学研プラス
宇宙一わかりやすい
高校化学(理論化学)
左に説明、右に図解でゆるキャラが楽しく解説
確認問題でチェック
化学の入門・基礎
基礎固め 旺文社
大学受験Doシリーズ
鎌田の理論化学の講義
重要な基礎のポイントをまとめて暗記
入試前に確認できる赤セルシート付き
基礎固め~復習
基礎・演習 旺文社
化学[化学基礎・化学]基礎問題精講
必修基礎問・実習基礎問で基礎知識を押さえつつ
実践・応用力が鍛えられる
共通テスト・私立大・国公立

学研プラスの宇宙一わかりやすい高校化学(理論化学)

宇宙一わかりやすい高校化学

「学研プラスの宇宙一わかりやすい高校化学(理論化学)」では、イラストと図解で化学の躓きやすい部分を払拭できるよう解説されています。

読みやすい書体と解説量が本の厚みになっています。

別冊の問題集で基礎知識を確認、演習問題数は少なめですがこれから化学を学ぶ人も、ゆるキャラで楽しく読める解説書です。

旺文社・大学受験Doシリーズ鎌田の理論化学の講義

大学受験Doシリーズ鎌田の理論化学の講義

「旺文社・大学受験Doシリーズ鎌田の理論化学の講義」はポイントになる部分がすっきりまとめて見やすく整理されており、重要な言葉を赤文字で記載し基礎固めやテスト前に読む本として人気があります。

赤セルシートがセットになった別冊の「入試で使える最重要Point総整理」は移動中に使うことを前提にしてつくられたもので入試前、確認するのに役立ちます。

旺文社の化学[化学基礎・化学]基礎問題精講

化学[化学基礎・化学]基礎問題精講

「旺文社の化学[化学基礎・化学]基礎問題精講」は国公立2次、私立大の問題を徹底的に分析したもので基礎問とはしていますが、入試問題のレベルを基準に構成しています。

問題に対する解説が充実しており、なぜその立式になるのかを納得させてくれる説明になっています。基礎を理解したところでこの本に取り組む勉強法を勧める人が多いようです。

改訂版では問題数の増加と共通テストの演習ができるようになっており、この1冊で実践力と応用力が身につけられます。

化学の場合、基礎をしっかり固めるための本と演習問題を解く本を別に用意している話をよく聞きます。

基本はほかの科目と同じ教科書をワンセットにして勉強していくスタイルで、演習問題の前に化学重要問題集を使い基礎固めを行います。

重要問題集からステップアップして演習問題にいくところですが、問題の多さで考えると現役生にとっては現実的ではなく1冊で基礎から演習問題まで網羅した本は内容がコンパクトで使える参考書として根強い人気があります。

3つの科目について見てきましたが、受験生に支持されているのは共通テストに標準を合わせ、プレテストを想定した問題が載った本、教科書といっしょに使える解説書のようです。

中には中学の基礎のおさらいから始まる本があり、わかりやすさだけでなく復習のしやすさにも注目しています。

自分ではわかっているつもりでも時間の経過とともに忘れてしまった内容や見落としていた基礎知識を拾い集めてくれるような本も存在し選び方、勉強の進め方次第で共通テストの7割が取れるようになった書き込みもあります。

著書を見ると現役の塾講師によるものが目立ちますが、自分にとって解説がわかりやすい本が一番です。

公式や解法が理解できたらやみくもに問題を解くのではなく、何を求められているのかを判断する力を養う必要があります。これからの入試には判断力、自分の考えを形にする記述力が問われます。

医学部の受験はレベルが高いとはいえ教科書の基本内容から出題されている事実は変わりません。入試の武器になるのは記憶力と解法、応用力、どんなパターンが覚えやすいか人それぞれですので上記を参考に実際に手に取り納得できる本を1冊、手元に置いてください。

化学の勉強法やおすすめ参考書についてはこちらでも紹介しています。

まとめ

医学部に合格するために選ぶ参考書は苦手としている項目が短時間で理解できるかどうかで判断します。購入前にその場で内容を大雑把に見ると思うのですが全体の7割くらいわかるようであれば購入してみましょう。

ポイントは問題に対しての解説が丁寧に書かれていることです。イラストや図解で印象に残るもの、解き方と基礎問題を発展させた応用、演習問題が載っているものを選びましょう。

受験用の過去問題集がありますが、入試問題は基礎学力を問うのはどの大学も同じです。希望する大学のレベル、私立大の過去問は最低でも5年から10年は遡るようにしてください。出題傾向がわかり、自分の苦手分野と弱点を知ることができます。

入試を突破するためにも一日や一週間の過ごし方、時間の使い方から見直すことも忘れずに行いましょう。そして、実際に手に取り、自分が納得できる参考書をぜひ選んでください。

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