医学部予備校はどこでもいいわけではありません。選び方を間違えれば、これまで学習してきた内容に疑問を感じてしまったり、志望校を変更したり。最悪な場合、医学部受験自体危ぶまれる可能性もあります。とくに医学部予備校は、その予備校自体の質もそうですが、講師・授業内容の評判やかかる費用などはしっかり確認しておくべき事柄です。それ以外にも、例えば非常勤よりも在勤講師の方が多いなど、困ったときに質問できるか否かといった細やかな対応力についても見逃せないポイントです。
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医学部受験を志す際に、とくに重要になるのは、目指す医学部に合格するため、できる限り受験生にとって良い環境を整えることにあります。
とくに、受験に向けた勉強というのは、一人でもできる、と思われがちですが、具体的に医学部受験に向けて、現在の持っている力を伸ばそうとしても、どこをどのように展開させれば良いのか、1人で考えるには限界があり、無駄な時間を費やしてしまいます。
このような点を踏まえても、力を存分に発揮させるための環境を整えるには、やはり専門の予備校に通うのが適当といえます。
医学部受験を目指すなら、やはり医学部予備校の力を借り受験に望むのは大前提であり、尚且つ、どの医学部予備校を選ぶのか、つまり選び方が一番のポイントになります。
選び方を間違えれば、そもそもの勉強法にも疑問が生じ、自分の実力を伸ばすどころか、伸び悩みを感じてしまうおそれや、実力に合わせた勉強方ができないため焦りや不安を抱えてしまい、自信をもって受験出来ない、もしくは目指す医学部への受験すら出来なくなってしまうかもしれません。
つまり、予備校選びは、その後の医学部受験、ひいては、受験生の将来にも大きな影響を与えるものとなります。
医学部予備校を選ぶ際に疑問としてあがるのが、大手予備校と医学部予備校の違いです。大手予備校と、医学部予備校ではどんな違いがあるのか、その違いをしっかり知らなければ、予備校選びにも影響してしまいます。
それでは、その違いは何なのか、確認してみましょう。そもそも大手予備校と医学部予備校の大きな違いは、医学部受験に特化した予備校であるか、ないかになります。
大手予備校では、どんな学部にも対応出来るような総合的な授業内容となっており、すべての教科に対してに学べる形になっています。国公立大「大学入学共通テスト」の受験には強い形です。
それに対し、医学部予備校では、受験生はそのほとんどが医学部の受験を目指していますので、医学部受験に特化した講師陣が配置されています。さらに、授業カリキュラムも専門分野に絞った内容になっており、私立大医学部受験対応では、小論文や面接対策など、細やかでしっかりとしたサポート体制が整っています。
医学部予備校では講師への質問をオンラインで受け付けるなど、受験生の問題を解消するための対策も講じられていたり、学ぶ内容としても、近年の医学部の受験出題率の高い問題を中心に開設したりするなど、まさに医学部受験を主軸として学ぶ環境を整えた予備校になっています。
このほか、詳しい予備校の違いは以下の記事をご覧ください。
では、大手予備校に進むと医学部への合格は望めないのか、といえばそうでもありません。実際に、医学部受験生の中には、大手予備校から医学部を受験し合格したという方もいらっしゃいます。
ただし、その割合としてみれば、大手予備校よりも医学部予備校の合格率の方が高いのが現状です。とくに医学部予備校では、医学部受験に特化したカリキュラムを準備しているため、国公立大・私立大を合わせて、高い確率で合格を果たしています。
医学部受験では、様々な科目の問題が出題され、大学よって出題傾向は大きく違っております。過去問の傾向を踏まえて具体的な対策を講じなければ、対応するのは難しい問題ばかりです。
医学部予備校では、様々な大学の出題傾向を調査し、カリキュラムはもちろんのこと、テキストやテスト問題などにも活かし、対策をおこなっているため合格に繋がりやすいといった利点があります。
具体的に予備校を選ぶ場合、やはり費用面はチェックしたい大きなポイントになります。とくに費用の面で、金額が明示されているとどうしてもその金額の高い低いといった点で比較してしまいます。
費用が高いよりも低い方がお得なのか、しかしカリキュラムやサポートの面を考えれば高い方が手厚いサポートを得られるのではないか、など、いろんな疑問が出てくると思います。
費用の面で重要なのは、単に明示されている金額だけで判断してはいけない、ということです。
例えば、一見安いように見えている授業料なども、中身をみたら実力テストや模擬試験、夏休みや冬休みの長期休みの特別講習などは全てオプション制になっているという場合もあります。
そうなると、実際の授業料だけでなくその他にかかる費用が出てくるため、結果的に最初に確認した金額よりも倍の費用がかかってしまった、といったケースもあります。
逆に高い場合にも注意が必要です。実績を裏打ちするだけの金額であるのか、受けるカリキュラムに見合った費用なのか、サポート面は充実しているのかなど、多くの点から確認し吟味して検討する必要があります。
医学部予備校の多くは、これまでの合格実績を明示しています。詳細にこうした合格実績を明らかにしている予備校は信頼できる予備校といえましょう。
合格実績とは、いわば予備校の質を明確にした数字であり、その予備校のバロメーターともいえます。
多くの医学部受験生は、これから自分が受験しようとしている学校の合格者がどんな勉強を取り入れていたのか、どのようなカリキュラムで予備校の授業を受けたのか、気になるところです。予備校の選び方として、合格実績の確認は外せないところになります。
また選び方で外せない部分に、その予備校の設備やサポート体制があります。予備校の設備として、自習環境が挙げられますが、集中して取り組める環境であるのか、また安心できる広さがあるのかといった点はもちろん、衛生管理についても見逃せない部分です。
そして就学を支えるサポート体制ですが、カリキュラムといった一般的なものだけでなく、受験までの健康や心のサポートも重要です。
受験が近づくと不安や焦りも出てきます。リフレッシュし休息できる場所や相談出来る環境があるのか、体力勝負の受験を乗り切るための健康管理のサポート体制があるのか、細かい部分ではありますが見逃せないところです。
講師の質も予備校の選び方のポイントから絶対的に外せないところでしょう。講師の質は、単に受験に必要な授業を教えるだけでなく、いかに様々な教科に興味を持たせることができるか、といった授業の質にも大きな影響を及ぼすものです。
例えば授業だけでなく、授業以外の時間に質問をしたいと思ったときに、いつも講師がいない、また非常勤講師ばかりで、そもそも質問できる環境がない、といった予備校ではやる気すら芽生えません。
単に教えるだけの講師ではなく、いつでも受験生のやる気に寄り添った講師たちがいて、そういった予備校の体制であるかはしっかり見るポイントになります。
医学部受験を志すうえで、具体的に志望校を決定することは重要です。目標が定まれば、努力する方向性も定まります。
こうした志望校や偏差値に応じたカリキュラムがあり、対応したクラスが存在するというのは、目標達成するためには必要最低限のポイントです。
志望校別・偏差値別のクラスがあれば、同じ目標を目指す仲間と切磋琢磨し、勉強へのやる気も上がります。
いくつかの予備校では、集団指導や個別指導など、受験生に合わせカリキュラムを様々に設定しています。ここで注意すべきなのが、安易に選ばないということです。
例えば講師の眼を意識せずカリキュラムに取り組めるという集団指導の方がいいという生徒もいますが、常に質問して確認できる個別指導の方がいいという生徒もいます。
つまり、どちらが良いのかは生徒の相性によって変わります。集団指導と個別指導にはそれぞれ、メリットデメリットがあり、適正は人それぞれ違いますので、そこを選択を間違えないようにしましょう。
予備校選びには、通いやすい環境にあるかというところも外せません。高いモチベーションをもってしても、人間は時にその利便性の悪さを理由に怠けてしまうこともあります。
予備校が通いやすい環境にあることで継続しやすく、通学に多くの時間を割くという煩わしさも軽減されます。
長い受験生活では、利便性を考慮して予備校に入塾するというのも、勉強へのモチベーション維持に欠かせないポイントとなるのです。
予備校の費用が高いとみれば、それだけカリキュラムが充実している可能性があります。となれば、やはり合格への近道なのかもしれないと考える方も多いと思います。
しかし、費用が高いからといって絶対に合格できるというわけではない、ということは頭に入れておきましょう。
実際、費用が高いだけで中身の無い予備校も世の中には存在します。選び方としては、何故費用が高いのか、その理由をしっかりと確認することが大切です。
口コミやその予備校に関する評判も欠かせないチェック項目です。その予備校の口コミや評判も、納得できる内容のものか、確認しておくことが大切です。
例えば、具体的な理由もなく、何となく評判が良い、悪いというのでは信用できません。普段は厳しくて近寄りがたいけれど、合格した後、受験生たちをねぎらい自分のことのように喜んでくれる講師がいる、面倒なほどに熱いカリキュラムがある。こうした口コミは、一見悪そうで面倒そうな印象ですが、予備校の講師に情熱がある証でもあります。
口コミや評判の内容は、その全てを信用するよりも、参考とする程度としながらも、しっかりチェックしておくことで安心感が高まります。
合格といったゴールだけでなく、長い受験生活に大きな影響をあたえる予備校。その予備校選びについては、単なるWEBや書類でみる表面上の確認だけに留まってはいけません。
例えば、実際に通った卒業生に聞いてみるとか、また周囲の評判を聞いてみるということも大切ですし、医学部予備校で開催している相談会や見学会などで実際の学校を確認し、講師などに疑問や不安を質問してみることが一番です。
費用面や設備、カリキュラムだけでなく、予備校のカラーや雰囲気についても触れてみて、予備校選びのポイントにするのも良いでしょう。